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原状回復時の自然損耗とは?通常損耗や特別損耗との違いを解説

23.12.19

賃貸物件を退去する時に、大家さんとのトラブルになりがちなのが原状回復義務の範囲についてです。

住居についた傷みや汚れが自然損耗なのか特別損耗なのかによって、修繕費用を誰が払うのかは違ってくるため、正しい知識を身に着けていることが大切です。

そこで、今回の記事では、原状回復時の自然損耗と特別損耗について詳しく解説します。

自然損耗・通常損耗・特別損耗について

賃貸物件から引っ越しを考える時に、まず気になるのが退去時の原状回復義務でしょう。

原状回復とは「住んでいた部屋を入居時の状態に戻す」ということですが、どのような経緯でついた傷や汚れなのかによって、修繕費を大家か賃借人のどちらが払うのかが変わってきます。

ここでは、原状回復時の大切なポイントである「自然損耗」と「特別損耗」について、詳しく解説します。

自然損耗とは

自然損耗とは経年劣化とも呼ばれ、賃借人が住んでいたかどうかに関わらず自然に劣化していく傷みのことを指します。
建物に使われているゴム・金属・木材・塗装などは、空気に触れたり紫外線を浴びたりすることで、錆びたり変色したりしていきます。

自然損耗の具体的な例は、以下の通りです。

・紫外線によるカーペットの変色
・畳の日焼け
・日焼けによる壁紙の変色
・建具の金属部品の錆

このような劣化は誰が住んでいない状態でも起こるため、原状回復義務の対象にはなりません。

通常損耗とは

通常損耗とは、賃借人の故意や過失ではなく、通常に生活する上で生じた傷みや汚れのことを指します。
通常損耗の具体的な例としては、下記のようなケースが該当します。

・家具を置いていた部分の、カーペットや畳の凹み
・冷蔵庫・電子レンジ・テレビなどの後ろについた電気焼け
・ポスターやカレンダーなどを貼った際の画鋲やピンの穴

このような傷みや汚れは、注意を払って生活をし掃除をしていても発生するものなので、自然損耗と同じように原状回復義務の対象にはなりません。

ただし、オフィスや店舗などの商業用物件では、通常損耗は原状回復義務の対象となることが多いです。

特別損耗とは

特別損耗とは、自然損耗や通常損耗に該当しない、賃借人の故意や過失による傷みや汚れが含まれ、原状回復義務の対象になります。
特別損耗の具体的な例は、以下のようなケースです。

・キャスターの付いた家具によるフローリングの凹み
・喫煙による壁紙の変色や臭いの付着
・下地ボードの張替えが必要になる釘やネジの跡
・飲み物や食べ物をこぼしたことによってついたカーペットや畳のシミ汚れ
・ペットが原因でついた汚れや傷
・子供の落書き
・台所まわりの油汚れ

特別損耗は基本的に、賃借人による部屋や設備の使い方や手入れに問題があったためについてしまった傷や汚れです。
傷みや汚れの原因は賃借人にあるとされ、原状回復にかかる修繕費用は原則として賃借人が負担することになります。

原状回復に関するトラブルを避ける予防策

自然損耗、通常損耗、特別損耗の違いを説明しましたが、住居用の賃貸物件の場合、自然損耗と通常損耗は同じ意味合いで使われ、どちらも原状回復は退去時のトラブルになりがちなポイントです。

トラブルを避けるためには以下のことに注意しましょう。

ガイドラインと賃貸契約書を比較する

原状回復に関しては大家と賃借人との間でトラブルとなることが多いため、国土交通省は『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』として、一般的な基準を取りまとめています。
賃貸契約書を交わす時には、契約書の原状回復に関する文言が国土交通省のガイドラインに沿った内容かどうかを確認しましょう。

二次被害に注意する

もともとは自然損耗や通常損耗による傷みや汚れでも、賃借人がそのまま使い続けることによって、さらにダメージが広がるケースがあります。

例えば、経年劣化により建付けが悪くなってしまった扉を、大家に報告することなく無理に使い続けて、壊してしまった場合は、修繕費用を賃借人が負担することになります。

また、結露を放置したことによりフローリングや壁に拡大したカビは、賃借人が一般的なカビ対策を行わなかったとみなされるため、賃借人が修繕費用を負担するケースもあります。

自然損耗や通常損耗の範囲内でも、気になる点はすぐに大家さんに連絡して二次被害を防ぐようにしましょう。

まとめ

賃貸物件では、普通に生活していく上で生じた傷や汚れは、自然損耗や通常損耗と見なされて、修繕費用は原則として大家さんの負担となります。
ただし、普通の生活や使用状況の線引きは難しい部分もあるため、修繕費用をどちらが負担するかで退去時のトラブルとなることも多いです。
不要なトラブルを避けるためにも、自然損耗・通常損耗・特別損耗の定義や具体例を知っておくことが大切です。